前回、上手な撮影のコツとして、ズームを使わないという話をしました。長くなってはいけないと考え、前回は端折った話があります。それは、ズームを使わなくても、アップは撮れるという話です。

レンズのズーム機能は、被写体を大きく写すために備わっています。しかし、大きく写そうと考えた時、プロカメラマンの多くは、ズームを使うことを考える前に、違うことを考えます。それは、被写体に近付くことです。

離れたところからズームを使ってアップにすると、手持ち撮影の場合はどうしても手ブレが大きくなります。三脚を使っていても、画角を決めるのに時間がかかることがあります。

だったら、カメラごと前に出れば、被写体を大きく写すことができます。

なーんだ、そんなことかと、思いましたか?そう、そんなことなのです。撮影テクニックの多くが、「そんなこと」です。もちろん、ズームに頼るしかないことも多くて、私たちプロカメラマンも、ズーム機能に頼ります。でも、状況さえ許せば、前に出たいと考えるのが、職業カメラマンなのかも知れません。

それに前に出れば、カメラと被写体の間に邪魔なものが割り込むことも減ります。何かとメリットが大きいのです。