結婚式だけでなく、過去に何度か法事の撮影を承った経験のあるメディアファームです。
法事は多くの場合仏事として行われますから、結婚式とは違う雰囲気や厳かさがあります。

暑さ寒さも彼岸までと言いますが、彼岸の中日である今日、島根県は雪のちらつく寒さです。
それでも、今日を境に昼間の時間が夜よりも長くなりますから、少しずつ風も温んでいくことと思います。

さて、お彼岸といえばパンですよね。
え?って言いましたか?
島根県や鳥取県では、彼岸と言えば、昔からパンです。それも、あんパンなのです。

パッケージに、御誂パンとありますが、これは主に、お葬式、また法事の時などに、会葬の返礼として配られるパンです。名付けて法事パン。
そこから転じて、お彼岸やお盆の時に、仏壇へのお供えとしても使われます。

そもそも、なぜパンなのか。
昔はどこの地域でも、会葬御礼として、餡餅やお饅頭を配ったのだそうです。
その習慣が、山陰地方ではいつしかパンに変わったのですが、その理由は、お葬式を出す家で餅をついたりお饅頭を蒸す手間を、パン屋さんに外注したのが始まりとする説もあります。終戦直後の1940年代後半には、パンになっていたとする説もあります。
子どもの時は、親がお葬式に参列すると、お土産にあんパンを持って帰っていたのを、よく覚えています。

今ではあんパンの他にも、クリームパンやジャムパンもラインナップされ、法事パンの世界も少し賑やかになっています。

なお中身は普段売られているパンと全く同じもので、包装だけが御誂なのだと、以前パン屋さんに聞きました。
でも、法事やお彼岸の時だけの特別感があるのが、何だか不思議ですよね。