島根県と鳥取県の間に横たわる湖は、中海と名付けられています。湖面面積は日本で5番目ですから、比較的大きな湖です。ちなみに有名な宍道湖は、7番目です。

その中海の特産といえば、地元民が口を揃えてその名を挙げるのは、赤貝です。
ただ赤貝と言っても、高級寿司ネタのあの赤貝ではありません。

見た目は赤貝と似ていますが、アサリと同じくらいの大きさの貝で、正しくはサルボウガイと言います。
サルボウガイのサルボウとは、猿のほっぺたという意味です。閉じた貝を閉じた側から見ると、猿のほっぺたのように見えることから、そんな名前で呼ばれています。
尤も地元民はサルボウガイとは呼びません。スーパーの海産物売り場でも、赤貝の名前で売られています。
醤油とみりんとお酒で、甘辛く炊いて食べます。
旬は、年末からだいたい2月末くらいまでなので、おせち料理にもだいたい入っています。

ただ、中海特産と言いながら、近年は漁獲量が大幅に減っています。かつて中海を干拓して農地にしようと計画されていた中海干拓事業の影響で、水質が悪化したからです。
干拓事業は21世紀の始め頃に中止となり、その後水質を戻すための努力も払われているので、赤貝も少しずつですが、とれるようになってきました。

この時期に松江を訪れると、運が良ければ赤貝(サルボウガイ)の煮付けを楽しめるかも知れません。